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五月人形!武家社会の風習が庶民に広がり発展した日本の文化

五月人形とは、歴史と意義

五月人形は、端午の節句(5月5日)に飾る伝統的な飾りで、男の子の健やかな成長や無病息災を願うためのものです。もともとは武家文化に由来し、鎧や兜を飾ることで子どもを厄災から守るとされてきました。

端午の節句の起源は古代中国にさかのぼり、日本には奈良時代に伝わったとされています。平安時代には宮中で菖蒲を用いた厄払いの儀式が行われ、武家文化が発展した鎌倉・室町時代には、武士の家では鎧や兜を飾る風習が広まりました。江戸時代になると、この風習が庶民にも広がり、現代の五月人形の形へと発展していきました。

五月人形は、武士の「身を守る」という考えに由来し、男の子が強くたくましく成長することを願う象徴とされてきました。また、「厄を人形に移す」という意味もあり、子どもに降りかかる災いを代わりに受け止める存在とされています。そのため、五月人形はただ飾るだけでなく、子どもが実際に触れることも重要とされています。触れることで人形に厄を移し、健やかな成長を願うのです。ただし、扱いは丁寧にし、大切に保管することが求められます。
現代では、さまざまなデザインの五月人形が登場し、家族の願いを込めて飾られています。

五月人形の種類

  1. 鎧飾り:本格的な鎧一式を飾るタイプで、豪華で迫力があります。鎌倉時代から武士の家で子どもの守護として飾られ、江戸時代には庶民の間にも広まりました。
  2. 兜飾り:鎧ではなく兜のみを飾るタイプで、コンパクトなものが多く人気です。戦国時代には、兜が戦士の象徴として重要視され、端午の節句の飾りとして定着しました。
  3. 収納飾り:飾る時だけ組み立て、使わない時は収納できるタイプ。省スペースで便利であり、江戸時代の庶民文化の発展とともに実用的な形式として広まりました。
  4. ケース飾り:ガラスやアクリルケースに入ったタイプで、お手入れが簡単。昭和時代以降、現代の生活様式に合わせて誕生した形です。
  5. 武将人形:有名な武将をモチーフにした人形で、歴史好きの家庭におすすめ。戦国時代の英雄たちにあやかり、子どもに強く賢い人物になってほしいという願いが込められています。

五月人形を選ぶポイント

  • 飾る場所を考える:五月人形はサイズがさまざまなので、飾るスペースと収納スペースを考慮して選びましょう。部屋の広さやインテリアに合うデザインを意識することも大切です。
  • デザインと好み:伝統的な鎧・兜飾りから、シンプルなモダンデザインまで多種多様。家族の好みに合ったものを選ぶことで、毎年飾る楽しみが増します。
  • 材質と品質:木製・金属製・布製など、材質によって雰囲気や耐久性が異なります。職人による手作りの精巧なものは、一生モノとして大切に受け継ぐことも可能です。
  • 予算:五月人形の価格帯は幅広く、数千円の手頃なものから、数十万円する高級品まであります。無理のない範囲で、納得のいく品質のものを選びましょう。
  • お手入れのしやすさ:ケース入りタイプならホコリが付きにくく、お手入れが簡単。収納式なら、省スペースで片付けが楽です。
  • 子どもが触れられるか:五月人形には「厄を移す」という意味があるため、子どもが実際に触れられるタイプを選ぶのも一つの方法です。触れることでより身近に感じ、伝統文化への関心を深めることができます。

五月人形の片付け方

五月人形は一年に一度飾るものなので、正しく片付けることで長く美しい状態を保つことができます。

  1. ホコリを払う:飾っている間に付いたホコリを柔らかいハケや布で優しく取り除きます。特に細かい装飾部分は慎重に扱いましょう。
  2. 湿気を避ける:湿気はカビや劣化の原因となるため、片付ける前にしっかり乾燥させましょう。湿気が多い日は避け、晴れた日に片付けるのがおすすめです。
  3. 専用の箱に収納する:購入時の箱や桐箱に収納することで、傷や汚れを防げます。特に鎧や兜は形が崩れやすいため、丁寧にしまいましょう。
  4. 防虫・防カビ対策をする:防虫剤や乾燥剤を一緒に入れることで、長期間の保存が安心です。ただし、人形に直接触れないように注意しましょう。
  5. 収納場所を選ぶ:風通しが良く、直射日光が当たらない場所に保管しましょう。押し入れの上段やクローゼットの奥などが適しています。
  6. 来年に向けての確認:片付ける際に破損や傷がないかチェックし、修理が必要な場合は専門店に相談しましょう。

五月人形は、毎年大切に飾ることで家族の思い出にもなります。正しい片付け方を実践し、長く受け継いでいきましょう。また、五月人形にはインテリアとして楽しめるものも多く、家の守り神として一年中飾っているご家庭もあります。雛人形のように桃の節句が過ぎたらすぐに片付けるといった言い伝えもないため慌てて片付ける必要もありませんが、季節の行事で使うものということを考えると、5月中旬頃までには片付けたほうがよいでしょう。6月上旬を過ぎて梅雨の時期に入ると、片付けの際に湿気が入り込んでしまうため、天気のよい日を選んで片付けるのがベストです。

福井県における五月人形の特徴

福井県では、雛人形を片付けた後、もしくは、春分の日の前後から 五月人形を飾るご家庭が多いです。端午の節句(こどもの日)に「鯉のぼり」や「五月人形」などを飾って、「柏餅」や「ちまき」(粽)などを食し、男の子の健やかな成長を祝います。柏の葉は、新芽が出ないと古い葉が落ちないという特徴があるので、「子供が産まれるまで親は死なない」即ち「家系が途絶えない」という縁起に結びつけられています。ちまきは、もち米やうるち米、米粉などで作った餅を、ササやマコモの葉で包み、イグサなどで縛った食品です。端午の節句に食べる伝統的な和菓子で、無病息災を願う意味があります。なお、関西でしか「ちまき」は食べないとの話もありますので、お近くの和菓子(お餅屋)さんに聞くのが確かです。

五月人形の購入は「人形の孫いち」で

人形の孫いちでは、5月人形をはじめとする伝統的な節句人形や各種掛軸 装飾品を取り扱っており、当店は福井県下で皆さまに愛されるお店を目指し、心を込めてお手伝いさせていただいております。専門のスタッフが一つひとつ丁寧にアドバイスし、購入後の手入れ方法までしっかりサポート。ご不明点やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。皆さまの大切な品選びを全力でお手伝いいたします。
五月人形は、ただの飾りではなく、子どもの健やかな成長を願う大切な文化です。家族で選ぶ時間も楽しみながら、ぴったりの五月人形を見つけてみてください!

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